手取川 サーモンフィッシング 2001

釣行データ
日時 2001年11月20日(火) 9:20〜12:00 (定量に達した為終了)
釣り場 石川県美川町 手取川(河口から650m区間)
天候 晴れ
気温 未計測 この時期にしてはかなり温暖な気候
水温 未計測 若干の濁りあり午後は、水量が増し濁りが入った
タックル ロッド IZCH Two-Hand 12'0" #8/9
リール System2 10/11
ライン ティペット: VARIVAS Shock Leader 16LB
    リーダー:  VARIVAS Perfection -1X-12FT(バット部1mカット)
    STヘッド:  Wetcell ST11S Type1(Type2は根がかり多い)
    ランニング: VARIVAS Airs Shooting Line 36LB
    バッキング: 30LB 250yrd
釣果 シロザケ(オス)81cm(5kg)、65cm(3kg)
フライ #2 (TMC9394) ゾンカー(オレンジ、ピンク)
 .030レッドワイヤをシャンクに15巻、目玉付き

写真は下の方にあります。画面をスクロールして見て下さい。


〜 プロローグ 〜

昨年から人数限定の捕獲調査という事で、本州でもサーモンフィッシングが楽しめる事となった石川県の手取川。今までは雑誌やビデオで憧れのように眺め、少なくとも北海道に行かなければ実現できなかった釣りが、車で数時間走れば可能となる。この夢のような話を知ってから、手取川でのサーモンフィッシングは私の頭の片隅にずっと残っていた。

今年の9月、南信州フィッシングクラブ定例ミーティングの際に手取川でのサーモンフィッシングの話題が持ち上がった。他のメンバーもやはりサーモンフィッシングに興味を持っている事を知り、クラブでまとまって申し込むという事に決まった。
釣行予定日は、11月20日。お店を経営している人もいる関係上、平日の火曜日となる。当然普通のサラリーマンは有給休暇を取らなければならないが、念願のサーモンフィッシングが出来るならばと、私は二つ返事で了承した。

10月入り1通の封書が家に届いた。サーモンフィッシングの当選の知らせだった。念願のサーモンが釣れる。夢が少し現実のものとなって嬉しさも込み上げてくる。友人の小池君も当選の封書が届いたそうだ。結局、南信州FCで15通応募して10通の当選を得る事となった。ちなみにサーモンフィッシングの参加費は1日5000円。封書が届いて数日後、指定口座に振り込む形となる。

〜 準備 〜

11月に入り手取川のサーモンフィッシングもいよいよ解禁となった。名古屋の「ラストホープ」さんのHPでもさっそく釣果報告が載っていた。重量感のあるサーモンが横たわった写真を見ると否が応でもテンションは高まってゆく。しかし、サーモンはどのようなフライでどのように釣るのか?正直なところ全く分からなかった。そこで、ラストホープ伊藤氏にメールで手取川の釣りについて問い合わせてみたところ、快くアドバイスを頂いた。
「ラインシステムはフローティング〜タイプIIまで、フライは重めのゾンカー。特に赤を中心にしてその他各色。私たちの釣行時期では、スウィングやリトリーブでは釣れ難く、サーモンの鼻っ面に送り込む事が重要。」とのこと。
サーモンフィッシングのイメージを膨らませる為、杉坂さん出演のビデオ「忠類川サーモンフィッシング」、そして、ダブルハンドでの釣り「Japanese Big Game」を見るのが毎日の日課となった。

釣行日まであと10日と迫る金曜日、地元のショップに買出しへと向かった。同行の中原氏、飯島氏も同じように買出しに来ていた。「何買った?」お互いの買い物かごを覗き合う。やはり、赤のラビットスキンは外せない。フックは、ソルトにも対応しているストリーマー用のTMC9394の#2を購入。リーダーは悩みどころだった。手取川経験者の店長の話では、あまりにも強度ガチガチでいくと、根がかりをした時に切る事が出来ないので、どこか切れる場所を作っておかないと、STヘッドとかが切れてしまう可能性があるとの事。そこで、リーダーは、-1X(約15LB)。ティペットはサーモンの歯でも切れないようにとショックリーダー16LBを購入した。そしてランニングラインも最近お気に入りのバリバスの「AIRS SHOOTING 36LB」を購入した。

3Mのラージボックスを用意してそれをいっぱいにするまで巻こうと決め、赤のラビットスキンをシャンクにグルグルと巻きつける簡単なゾンカーを巻き始めた。重りは、0.030インチのレットワイヤをシャンクに15巻き。フックも重いことからずっしりとした重量感がある。そして、フィッシュイーターは目から襲うという説を信じ、アイ側に目玉をつけてアピール。あとは、同系色のマラブーでボリュームを出し、ソルト系定番のキラキラするファイバーをトッピングした。風呂場でのスイミングテストも良好だった。なんか釣れそうじゃない?。赤以外にもオレンジ、ピンク、イエロー、パープル、ブラックと派手派手しいフライボックスの出来上がり。弾が揃うと少し不安も消えてゆく。とりあえず準備はOKだ。

〜 出発 〜

長野の伊那谷から石川県までの行程は、中央道-名神-北陸と高速道路を乗り継ぎ約5時間。獅子座流星群も見えるであろう午前3時に集まった。レギュレーションでは、午前7時から釣りが開始なのでちょっと遅い出発なのでは?という思いもあったが、既に決まった事なのでしかたがない。
釣行メンバーは、南信州FCの7名(私含む)。車は交通費を節約するためワゴン1台に乗り込んでゆく。しかし、7人分の釣りの荷物の量は半端ではない。積み込みに相当時間を要してしまう。完全に出遅れだ。一路石川県へ。

少しウトウトしかけた時、横から朝日が挿し込んで来た。時計を見るともう7時。そろそろ釣り始めている頃だな。しかし、まだ隣の福井県のようだ。道のりは長い。このまま行くと9時頃に到着といったところだろうか。

美川ICを降りる直前に手取川の河口を通過する。けっこう川幅広いんだ。少し緊張してくる。指定駐車場に着いた時は午前9時を回っていた。駐車場には釣り人の車がいっぱい。川には釣り人の竿が並ぶように立っていた。完全に出遅れだ。管理小屋で受け付けを済ます。登録リストを見るとほとんど最後だった。ちょうど検量で巨大サーモンを持ち込む人がいた。6kg近い重量だった。凄い迫力。フライだそうだ。フライでも釣れている。少し期待持てるかな?

〜 いよいよ釣り開始 〜

はやる気持ちを抑え釣りの準備。ロッドは12フィート8/9番のダブルハンド。ラインはタイプ2のヘッドを選択。フライは赤のゾンカー。かなり寒いという話だったが今日はとても温暖な気候でポカポカ陽気。フリースでも暑いくらいだった。でも、長時間の立ち込みも考えてネオプレーンを履いた。
他の人達は、ノットはどうするだのいろいろ手間取っている様子。たしかに私を含め皆渓流中心、たまに湖という程度なので、サーモンなんてビッグゲームの経験がない。私はとりあえず強度のあるティペット、リーダーなので、普段どうりのノットで対応してみた。切れたらまた考えればいい。

ちょっと様子見てこようと才木さんと小池君とで川へ移動。JR陸橋下は有望ポイントと聞いていたが、釣り人の数も半端ではない。かなり密度が高く。私達のような後発組みが入るスペースはない。またバックも土手になっておりあまりフライ向きではない。ギャラリーも多くロケーション的にもイマイチ。だいぶ下流に移動し中洲が切れている付近で入る事に。この辺りは人気があまりないので釣れないのだろうか?

岸際の浅瀬には既に命を全うした鮭の死骸が横たわっている。なんとも複雑な心境だ。岸際を泳ぐ鮭もいる。しかも、かなりでかい。遠く対岸でも鮭が背鰭を出しバシャバシャと水飛沫を上げている。サーモンの雰囲気が濃厚に感じられる。まずは様子を見ながら川に立ち込んでゆく。以外に浅く、気が付くと川の中程までウェーディング出来てしまった。横の人を見ながらこの辺りと決め、ラインをリールから引き出す。
準備をし終え1投目も終わるか終わらないかの時、目の前で激しい水飛沫。なんか、鮭が暴れてるぞと思いきや、隣の才木さんのロッドを見ると思いっきり曲がっている。えっ、もう釣れたの?第1投目できたらしい。いいなー、いいなー。羨望の眼差しを才木さんに送る。赤のゾンカーだそうだ。浅瀬に寄せてからはかなり走られた様子だが、思ったよりは労せずキャッチ出来た様だった。キャッチしたのはメスのサーモン。サイズは未計測のようだが60cmオーバーといったところだろうとの事。
他の人達はまだ来ていない。どうしたのだろう?まだノットで悩んでる??

〜 苦悩 〜

才木さんのヒットを目の当たりにして、自分も直ぐに釣れるだろう思っていたが、現実はそんなに甘くなかった。釣り始めて直ぐに当った感じがしたのは、後になって思えばどうも根がかりであった。大河川での釣りの要領を得ていないので、とにかく思うような釣りが出来ていない。悩む...。

まず、ランニングラインの処理が出来ないので、気が付くと下流に大きく流されている。従って次のキャストの時にそれが大きな水の抵抗となり、フォルスキャストもままならないほど。シュートしても射程内には全く届いていない感じ。ダブルハンドなのに恥ずかしいくらいの飛距離。ビデオで習った小指、薬指、中指にランニングラインをかけ、大きなループを作って下流に流されないようにしてシュート時にパッと離してやる方法も試すが、なかなか上手く行かない。ビデオを見るだけでなくちゃんと練習をしておくのだった。こんな事なら、ラインバスケットを持ってくれば良かったと痛切に感じた。

また、稀にいいキャストが出来てもどうもタイプ2では沈み過ぎるらしく、フライが時にはラインまでもが根がかる事が連続する。根がかりを外す方法もビデオで習ってきたので実践してみると、大抵の根がかりは回収出来た。やはり、16LBのティペットは強いわけだ。かなりの力を加えても切れる感じがしない。これは、サーモンが掛かっても余裕だと思えた。根がかりを回収したフックは完全に針先が甘くなっているので、シャープナーで綺麗に研ぎなおす。いつ来るか分からないヒットに備え入念に研いでおこう。

〜 初ヒット 〜

あまりにも根がかりが多い事から、シューティングヘッドをタイプ2からタイプ1に変更。しかもライン番手をST10番からST11番に上げてみた。どうもイマイチ飛距離がでていなかったからだ。また、ラインを換えたついでに今まで使っていた赤のゾンカーからオレンジのゾンカーに変更してみた。みんな赤のゾンカーを使っているようなので別のカラーの方が良い気がしていた。
釣り開始から1時間、近隣の上級者の釣りを真似しながらも、なんとかラインさばきも板についてきた感じ。交換したSTヘッドも調子よく、明らかに今までよりも飛距離が出てきている。根がかりもほとんどない。少し自分の釣りのリズムが掴めた感じで、キャスト、ドリフト、リトリーブを繰り返した。

自分なりに得た釣り方はこんな感じ。まずは、対岸目掛けクロスにキャスト。ロッドを上流側に少し寝かせ、手元のラインを送り込む。ライン、フライが流れにもまれ沈むようにノーテンションで送り込む。自分の立ち位置から下流約45度くらいになると、ラインにわずかに張る感じが伝わってくる。ちょうど送り込んだラインとフライが伸びきる頃であろう。流れにいるサーモンの場合、そこからさらに送り込んでからのアタリが多いらしいので、全神経をロッドに集中し更に送り込む。

そんな事を繰り返していた時、「コン」実に小さな震動がラインとロッドを通し手に伝わってきた。もしかして?、いや、また根がかりか?不安もあったが思い切ってアワセを入れてみた。動かない。あっ、根がかりかと思った時、ググっと上流に動く気配。「ゴンゴン」と鈍いが強い振動がロッドを通して伝わってきた。紛れもない生命反応。サーモンが頭を振った感じだ。慌てて追いアワセを2発しっかり入れてサーモンの硬い口にフックセットさせた。だいぶ下流で激しい水飛沫が上がる。紛れもなくヒットだ!。
ヨシ!、ロッドをしならせリールを巻き上げる。さらにロッドなしなる。リールがギギッっと逆回転音を響かせる。最初ドラッグが少し弱めだったので頼りないくらいにリールからラインが引き出されていった。慌ててディスクドラックをキツク締め上げて走りを止めた。それでもリールの逆回転音は、ジッっと鳴り続く。今までに味わった事のない重量感。サーモンを釣っているという実感が湧いてきた。リールを巻いては走られを繰り返しつつも着実にサーモンは岸に寄ってきていた。途中から観念したかあっけなく岸際まで寄ってきた。これで無事ランディングかと思った時、まだまだ余力を残していたのか突然の突っ走り。リールが悲鳴をあげる。魚との距離が近いだけにドラックの締めすぎはラインブレイクの元。慌ててドラックを緩め微調整。水面に出る顔つきはオスっぽい。しっかり口にフックセットされている。多分バレないだろう。しばらくサーモンのファイトを耐えた。最後の締めはロッドを思い切りしならせ岸にサーモンをずり上げる。

やった!、念願のサーモンをキャッチ!。65cmのオスだった。既に周りで大きなサーモンを見ていただけに大きいとは感じなかった。しかし、ブナもあまり出ておらず銀ピカの余韻を残す魚体はかなり綺麗で、イメージしたオスのサーモンに比べるとシャープな印象を持った。記念の1尾だ。デジカメで記念撮影。オスは検量することになっているので、管理小屋に行く。おじさんの言うには3kgだそうな。川に上がってきてまだそれほど経ってもいない。ブナもあまり出ていないから食べると美味しいよとの事。いや〜、釣れて良かった良かった。ほんと良かった。

〜 美酒に酔う 〜

釣ったサーモンはキープしなければならないので、水が冷たい日陰を見つけ横たえて置く事にした。まだ仲間内では、才木さんと自分以外でのキャッチはない。時計を見るとまだ10時半を回ったばかり。既にオス1尾を釣ったので、自分はあと1尾オスを釣ると終了となってしまう。ちょっと休憩かな。伊東さんがしっかりワインをもって来て下さったので、まずは、サーモンのキャッチを祝し、ワインのコルクを抜く事に。サーモンに乾杯!。「う〜上手い!」
アルコールが入りだすともうすっかり余裕の観戦モードになり、グラスをあけるピッチも上がってゆく。もうこの時間になるとヒットシーンは見られなくなり、状況としてはかなりキビシイ。来た時は賑わっていたJR陸橋下も人がまばらになってきている。きっと朝釣った人たちは早々と納竿したのであろうか。仲間内でも諦めムードが漂い、何人かが岸に上がり一緒にワインを飲んでいた。

下流の橋のたもとには、友人の小池君が陣取って粘っている。携帯で釣れたよーと知らせ、ラインをタイプ1にしてフライもオレンジにしたとの情報も伝えた。釣り場に到着したときのなんと言うか殺伐とした釣り人特有の雰囲気が周囲から消えていた。このポカポカ陽気がそうさせるのか?厳しい状況がそうさせるのか?

〜 再び 〜

小1時間ほど岸で酒を飲んでいたが、ちょっと竿を振りたくなった。下流の橋上、ちょうど中洲が切れる付近が空いてたので、そこに入る事にした。先ほどからずっと見ていてもヒットらしい光景は見ていない。何人もの釣り人が入ってきてロッドを振り、去っていった。しかし、サーモンの雰囲気は常にあって、対岸付近には背鰭を出す姿を目撃している。流れの中でもバシャんと激しい水飛沫を上げる姿も何度も見ている。流れの中にサーモンは必ずいる。

タックルとフライは1本目をヒットさせたのと同じ。既に釣っている実績があるので、先程と同じように流せばいい。そして、しばらくして、また下流45度付近から更に送り込んだその時「コン」というアタリ。えっ。また?。半信半疑のアワセ。こんなに上手い事が続くはずがないと思っていたので少し躊躇していた。まさか本当に釣れたの?。その直後、ドスンという震動が加わる。やっぱヒットだ!。慌ててリールを巻き上げる。ちょっとラインのテンションが緩い。ヒットしたサーモンが上流に登っている感じ。自分も後ずさりしながらなんとかサーモンとロッドを一直線のラインで結ぶ事が出来た。ギギッ!リールが鳴く。あっ、結構強い。しばらく流れの中で耐えていると、急にテンションが抜けたと思ったら、なんと自分に向かって突進してきていた。リールを慌てて巻き上げるが追いつかない。バレたと思ったがラインを手繰り寄せてなんとかテンションを回復。サーモンはかなり浅瀬まで寄っていて、立ち込んでいる人達の後方でのやりとりとなった。そこからが激しい抵抗を見せた。これもオスだった。浅瀬には入っているものの、なかなか岸には寄らない。ドラグがジリジリと引き出されゆく。強い。バシャバシャと激しく体を振った。その時、フッと急に軽くなりフライが空中に投げ出されていた。あーバレた。しかし、残念ではあったが、サーモンとのファイトも楽しめたし、オスだったので、釣り上げたらそこで釣りは終了になる。まっいいかという気分だった。なにより、流れの中で再度サーモンをフックセットさせたという充実感、そして、自分の釣り方がここのサーモンには通用しそうだという自信を得た事は大きかった。

〜 強烈なファイト 〜

再び川に入った。また釣れる気がしていた。フライがいいのか、ちゃんとタナが取れているのか、よくは分らないがとにかく自分の釣りは当っていた。自信を得る事は本当に強いと感じる。フライをピンク色のゾンカーに交換してみた。雑誌でのサーモンの記事を見たりすると必ずフライボックスにピンク色のゾンカーは入っている。しかし、ピンクなんて管理釣り場のマス以外で釣った事がなかったので、こんなんでいいのかな?少し不安だった。水になじみ易いように唾液をゾンカーにしっかりつけておく。こうすると1投目からフライをいい動きで泳がせる事が出来る。あまり、スマートな方法ではないが効果は湖でも実証済み。

バックキャストを後方で見送ながら、しっかりパワーの乗せてシュート。結構飛んだ。リールがジッとなる。リールからラインを引き出し更に送り込む。十分沈みきったのを感じ、更にロッドで下流側に送り込んだ。「ガツン!」
明確なアタリだった。フライ交換から1投目。フライローテーションは成功だった。今度は迷う事なくアワセを入れる。圧倒的な重量感に竿が曲がりこむ。確実なフッキングを得るため、強い追いアワセを2発入れた。先ほどバレたのは、フッキング直後にしっかりアワセを入れなかったからかもしれない。先ほどのヒットからあまり時間は経っていない。自分でも凄いなーと驚きは隠せない。かなり締めたリールのドラグだったが、ギギッと逆回転して、ジリジリとラインが出されている。とにかくドラグを更にキツク締めてじっと耐えていた。ゴンゴン、ゴンゴンと鈍重な震動が竿を通して伝わる。これがサーモンとのコンタクトの証だった。今までのよりかなりデカイ事は確実。たぶん、またオスだろうな。釣ったらおしまいか。そんな事を考えるほどに余裕はあった。もう3回目のファイトだから...。

両手で竿を引き付けサーモンとの距離を詰めては、少しリールを巻く。これを繰り返す。これぞビッグゲームの醍醐味。これをやりたかったんだよ。10分以上のファイトに腕もだるくなってくる。なんとか浅瀬には寄せてきたが、岸まで寄せるにはまだまだ余力はあるらしく、キツク締めたドラッグを時折鳴らせていた。背は見えて顔も見えていた。完全に鼻曲がりのオスだ。かなりデカイ。自分は岸に上がりサーモンを岸際に寄せようと試みるが、なかなか寄らない。もうファイトは堪能したからおとなしくしてくれ。願うようにロッドを絞り上げた。

流れにはもう戻れない程度に岸になんとかずり上げる事が出来た。近寄って見る。うわでけえ。さっそくサーモンの尾っぽを持っての写真やサーモンを抱えての写真を撮ってもらう。正直、サーモンを抱えての撮影はしんどかった。とにかく重かった。いやー釣った釣った。もうこれでオス2尾で釣りは終了だけども満足いく釣りだった。81cm、5kg、BIGサイズのサーモンだった。

〜 余韻 〜

しばらくは、腕に残る疲労感でサーモンの強烈な引きの余韻を感じていた。今まで釣りをしてきて一番の大物。もう言葉もあまり出てこない。時計を見ると正午だった。つまり自分の手取川でのサーモンフィッシングは正味2時間程度で終了ということになる。定量に達した事は嬉しけども、せっかく遠くから来たにもうおしまいというのもちょっと悲しいような。でも、サーモンの強烈なファイトを3回も楽しめたのだからこれ以上を望んだら贅沢か。でも、なぜ自分はオスしか釣れなかったのかな?、流れの中を中心に探っていたからか?、オスとメスで着き場が違うのか?、疑問点は多い。まあ、これは来年以降の課題だな。

定量に達し、すっかりやる事がなくなってしまった私は、またワインを飲み、おにぎりを頬張りつつの観戦モード。もう午前中で多くの釣り人が納竿してしまったらしく、JR陸橋下も数人が立っている程度。釣り人の数は1/3くらいに減っているだろうか。多分、午前7時の釣り開始と同時に数本キャッチして、10時くらいの渋い状況では正午に納竿というのもうなずける。仲間内でもヒットする人は誰もいない。また、少しずつではあるが水量と濁りが入ってきている。状況は更にキビシイものとなてきていた。

流れの中以外にもサーモンは居た。背後の土手を越えて裏手には川の流れが分岐して止水状態になっている所がある。船を停めて置く場所のようだ。その岸際を既にペアリングに入っているのかオスとメスがくっつき、また数尾が群れて泳いでいる。その泳ぐ方向を予測しフライをキャストして誘うという釣りを仲間がやっていた。ちょっとしたサーモンのサイトフィッシングだ。見事、中原さんがヒット。しかし、流れの中で粘る友人小池君は黙々とキャストを続けていた。

午後3時を回り、そろそろ終わりの準備をと漁協の人が回ってきた時、小池君のダブルハンドが大きく弧を描いていた。念願の初ヒットだ。皆、諦めかけ終わりかなと思っていた矢先のヒット。ドラマティックだ。ドラッグをあまり締めこんでいなかったのか、下流に100mも走られている。それ以上下られると障害物が。ファイトからしても、かなりいいサーモンである事に違いない。時折、ジャンプもしている。終了時間が迫っている事から彼も焦っていたのだろう。まだ、あまり弱ってはいなかったが、ランディングを頼まれた。ちょうど岸に寄った時にネットを出して見た。私の姿を見て驚いたサーモンは、まだ相当余力を残していたらしい。瞬間、思いっきり突っ走った。その時、フッとフライが空を切った。あ〜バレた。なんか、自分が荷担してしまっただけに責任を感じた。すまない気持ち。その後も彼は粘っては見たがサーモンはヒットせず。せっかくの1尾を駄目にしてしまったのは申し訳なかった。もう少し弱るまで耐えるべきだったのか。

〜 納竿 〜

午後3時半、納竿。ギリギリまで粘った釣り人は数名のみ。結局、仲間内での釣果は、キャッチしたサーモン4尾。バラしたサーモン4尾という結果だった。思ったよりもキビシイ結果だった。やはり、早朝の一番良い時間帯を逃したのが敗因の一つかもしれない。仲間の多くは、来年リベンジという事になるだろう。

初めてのサーモンフィッシング。最初は全くわからず、不安が多かった釣りだったが、かなり厳しい状況の中でオス2尾のサーモンをキャッチできた事はラッキーだった。たぶん、ビギナーズラックの一つだろう。きっと、たまたまタナが合っていたのか、フライが良かったのか。でも、あの強烈の引きを味わえた事は本当に幸運だった。

サーモンフィッシングの魅力は、その圧倒的な重量感にあると思う。ツーハンドロッドをおもいっきりしならせるパワー。自分の中でも未体験の領域だっただけに、今回の経験は本当に良かった。ちょっと釣りに対する価値観も違ってきたかもしれない。来シーズンは本流もやってみようかなそんな気持ちになっている。そして、手取川には来年も訪れたいと思う。

// 完

 
10時20分、本日1発目のヒット

オスサケ 65cm(3kg)

オレンジゾンカー

ブナ(婚姻色)もあまり出ておらず

フレッシュランに近い(漁協談)

オスサケ 65cm を抱えてのポーズ。

ヒットしたのは、ちょうど背後に立ち

こんでいる人の対岸付近。

クロスにキャスト、送り込んで「ゴン」

と当たった。

その直後、走る。10分ほどの格闘。

2本目ヒットは、1時間後だった。

1本目ヒットの50mほど下流地点に入る。

オレンジゾンカーにヒット。

約10分の格闘の末、岸際まで寄せて

きて痛恨のバラし。(泣)

たぶんオスだったと思う。

バラシの後、根がかりでフライをロスト。

フライを交換した直後のヒット。

強烈な引き。突っ走る。

15分以上の格闘。

サケ釣りのランディングは、サケが弱る

まで耐える。腕がだるい。

格闘の末、2本目のキャッチ、11時50分。

岸にずりあげて直後のランディング。

重いっ。

これでリミット(オス2尾)。

シロザケ(オス)81cm(5kg)

ピンクゾンカー

ワイルドな鼻曲がりのオス。

念願の80cmオーバーに嬉泣。

※ちなみにこれ、スレではありません。

写真撮影中に針が外れたもの。

オスサケ 81cm を抱えてのポーズ。

隣、南信州FC 伊東氏。

ビッグフィッシュに乾杯!

同級生、小池君のファイトシーン。

午後3時をまわり終了間際でのヒット。

100m以上突っ走った猛ファイター。

14ftのダブルハンドがひん曲がる。

しかし、寄せてきて私がネットを出し

て取ろうとした時、突っ走りバレた。

すまん、小池。m(__)m

サーモンにネットランディングは無理

かも岸にずり上げしかない。

 

        〜 初めてのサーモンフィッシングを終えて 〜


■ 到着が9時と遅れた事が敗因の一つ。朝一(7時〜)のプライムタイムを逃したのが痛い。
  朝からやっていいた人達はそれなりに釣れたようだ。

■ JR陸橋前後に人気集中。少し深くなっているのでサーモンが溜まってる。しかし人も多い
  のでトラブルを避けたい人は敬遠すべき。自分たちは混雑を避け下流に入る。そこでも十分
  に魚影はかなりあるので、人気ポイントでなくてもサーモンをキャッチする事は出来ると思
  う。

■ フライのローテーションをマメにすることは重要だと感じた。特に赤がいいということで皆
  使っていたようだが、自分は赤のフライは駄目だった。オレンジ、ピンクといった同系色で
  はあるが色を変えたときの反応は良かったと感じた。サーモンは色を見分けていると思う。
  そういった意味でもフライの色のバリエーションは豊富にした方がいいかもしれない。

■ 解禁当初はどうかわからないが、自分達の釣行した後半になると、ターンやリトリーブでは
  食ってこないというのは、本当のようだった。今回は、基本的にサーモンの鼻っ面にフライ
  を送り込めるかどうかが釣果の分かれ目だったかも知れない。(朝はリトリーブでも釣れた
  らしいのでスレ具合にもよるかも?)

■ ランニングラインの処理が課題。やはり流されてしまうので次のキャストの時、水の抵抗を
  大きく受けてしまい飛距離が出ない。左手の指にループを作って流されないようにして、シ
  ュート時にパッと離すという方法がスマートではなるが、私はラインバスケットの使用の方
  が有効なのではと感じた。特にステップダウンでポイントを移動するわけではなく、1箇所
  に立ち込んでその場所を釣るという湖のウェーディングの釣りに近い。したがって、ライン
  バスケットはデメリットにはならないと思う。特にシングルハンドで挑戦する人は、持って
  いっても損はしないと思う。きっと格段に手返しがよくなり、飛距離も稼げると思う。

■ 今回の手取川は、水量が少なめでタイプIIでも沈み過ぎる感じだった。タイプIないしイン
  ターミディエイト、フローティングといったライン選択が望ましいかもしれない。しかし、
  フィールド状況は変わるものなので、柔軟に対応できるラインシステムの用意は必要。
  (今回の為に用意したタイプIVのヘッドは未使用だった)
  それと、河口に近いので時間による水量の変化がある。流れ自体は早くはないが緩いけども
  押しの強い流れだと思う。

■ タックルは、やはりダブルハンドが有利だ。超遠投を要求されるわけではないがドリフト時
  もロッドの長さを有効に使える。しかし、シングルハンドでは駄目という事はないと思う。
  8番以上のバットのしっかりした竿ならば十分に対応出来ると思う。仲間内でもシングルで
  キャッチした人もいるし、さほど困難にも思えなかった。あとは、ライン処理でラインバス
  ケットなど持ってゆけば、十分に釣りが可能だと思う。次回は、シングルでも挑戦してみた
  い。
  一部、バックスペースの関係上、高い位置をフライが通過する方が有利なポイントもあった
  が、自分達の入った場所は河原も広く、バックスペースも余裕であり、特に気にはならなか
  った。


// 以上


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