
2001.8.31「夏の終りの尺アマゴ」
| 釣行データ | |
| 日時 | 2001年8月31日(金) 17:00〜18:40 |
| 釣り場 | 南アルプス 某川 |
| 天候 | 薄曇り |
| 気温 | 未計測(涼しい) |
| 水温 | 未計測 |
| タックル | FREESTONE 8'3" #3 + MARRIYAT MR7A + DT3F Yamame + VARIVAS 5X-12ft |
| ハッチ | コカゲロウ類少々 |
| 釣果 | アマゴ 5尾(30cm、20cm以下) |
| フライ | #16 CDCダン、#12 ヘアズイヤ、#12 ソラックスダン |
私は、8月も終りとなる最後の日、夏を惜しむかのように仕事を少し早めに切り上げ南アルプスの渓へと向かった。ポイントは決まっていた。あるポイントの堰堤下。ここでは良型アマゴが釣れるという話を釣り仲間から教えて頂いていた為、盆休み明けから度々足を運んではいたのだが、台風など自然の条件も絡みなかなか思うような釣果は得られていなかった。今日こそはという意気込みと半分は今日も駄目かもそんな複雑な心境であった。 ウィークデイとはいえ金曜日は結構渓に釣り人がいるもので、この渓に登る林道脇にも釣り人らしき車が転々と停まっていた。前を走るワゴンも釣り人かも。なんと、自分が入ろうとしたポイントに向かってウィンカーを出す。ちぇっ、駄目かと諦めかけた時、前の車が止まった。なんと会社の先輩のUさん。午後から近辺を釣っているUさんの話では、前後も釣り人が入っている様子。上流部の状況もあまり芳しくないらしい。 一緒に釣りません?私が提案。Uさんも快く承諾。Uさんと一緒に釣りをするのは久しぶりだ。車を停め釣り準備。Uさんに勧めたティムコのサイトマスター(偏光グラス)がえらく気に入ったようで、午前中は別のレンズカラーのサイトマスターも買ったという。渓流のみならず鮎釣りにも抜群の威力を発揮するのだそうだ。 鮎の友釣りも一段楽し渓流を釣るのも久々のUさんと一緒に釣り上がって行く。時間は午後5時を回ったところだ。少し雲に覆われていることもあり、暗くなるのは午後6時半頃。サクサクと釣り登らなければならない。8月末になると夕方はさすがに涼しくなり、少々歩いた程度では汗も出ない。そしてこの頃からイブニングライズの釣りの後半戦に入っていく。今日は水量も適当でありコンディションは良さそうだ。期待も少し膨らむ。 最初は私から竿をだす。様子見でCDCダンの16番を選択。流芯脇の筋をトレース。バシャっといい出方をしたのは20cm満たないアマゴ。とりあえず1尾。ホットした。その後もUさんと交互の釣り登りながら遡行するが、魚の反応はシビアだった。夏休み、このポイントを子供を連れ川遊びをした時の事を思い出す。息子とゴーグルを付け淵に潜ってみると、それはそれはアマゴの水族館とも言えるほどの魚影を確認し私は大変な感動を覚えた。以前テレビで見た水中カメラで撮った北海道のヤマメの画像が記憶に残っていた。それと同じ光景が目の前にあった。いや、それ以上にリアルで美しく、私は何度も何度も潜ってはその光景を楽しんでいた。潜ってみるとよくわかる。流れの中にも温度差があって冷たい流れ筋や暖かい流れの筋、アマゴは冷たい流れの筋を好んで100尾前後の群れで泳いでいるのだ。アベレージは20cmくらい、しかし、明らかに尺近いアマゴも見の前を悠々と泳いでいるのだ。魚が反応しないからと言って魚が居ないと判断するのは大きな過ちである。魚は確実にいる。アマゴ達が捕食行動を起こさない何か原因がそこにあるのだ。今日も潜って魚影を確認してみたい衝動にかられてしまう。 フライサイズを一気に20番に落としてみると格段に反応が良くなった。しかし、まだアベレージサイズには届かない魚しか相手にしてくれない。刻々と時間が過ぎて行く。焦りが出てくる。Uさんに上の堰堤に移動して良いかと訪ねるとOKとの返事。私はフライをフックキーパーに掛けリールを巻き上げた。 午後6時を回り目的の堰堤直下に立つ。高い落差のある堰堤から落ちる水は、水飛沫と風になって私に吹きつける。その下に幾つかのプールがある。前回来た時は台風の数日後でかなり強い流れだった。今日はたいぶ水も落ち着きドライでも勝負になりそうだ。薄暗くなりイブニングライズの期待も高まる。しかし、まだプールは静まり返っている。 ライズの始まるまでの間、幾つかある筋の一つでルースニングを試してみた。堰堤からの落ち込み直下を攻めるにはドライでは役不足を感じていたからだ。堰堤からの向かい風に負けないようにダブルホールでラインスピードを上げ堰堤直下にフライを打ち込む。しばらくしてインジケータが浮き上がり押し出されるように流れて行く。沈み石の付近で小さいライズを見たのでその周辺を丹念に探る。インジケータがピクっと止まったので合わせを入れると魚の感触あり。しかし弱い。期待した大型魚ではない。20cm満たないアマゴ。しかし、このポイントで釣ったのは始めてだったので、少しは自信が出てきたが、どうもニンフの選択は間違いな気がしていた。 光量が一気に乏しくなり偏光レンズが役に立たなくなってくると、とライズは散発的に起きていた。しかし、本命の大型魚の激しい水飛沫は未だ起きていない。このまま不発に終るのか、今日も諦めムードが漂い、フライのキャストもドリフトも荒くなってゆく。ドライのソラックスダンに切り替えライズを待つ。しかし、焦りからか小型魚のライズを狙ってしまう。その時、目の前で今までとは明らかに違う水飛沫が!。えっ、こんなに近いの。ヒラキの真中、ポジションはだいぶ後ろだった。今まで落ち込み周辺が怪しいと思っていたが、大型魚は以外にも大胆な場所で捕食しているようだ。きっと乏しくなった光がアマゴの警戒心をほぐすのだろう。 もう遅いかもしれないが数歩後退しそのライズポイントの様子を見る。脇では小さい波紋が立つがヒラキは静まり返っている。時間は6時半を回りフライが見えるか見えないかといった状態になった。継ぎ足していたティペットを取り去り、5Xの先に11番のソラックスダンを付け替えた。アイに通すのもやっとだった。ライズは無いがキャストを試みる。微かに見えた白いウィングに全神経を集中させた...。 その時、バシャっと激しい水飛沫!。期待したそれが出た事がすぐに判った。そして、すかさず合わせを入れる。強い手応え。バシャバシャっと激しい水飛沫が立つ。確実にフックアップした証しだ。距離は近かった。ヒラキの真中で障害物はなく、水に潜らせる隙を与えなかった。終始私がリードしていた。きっと5Xティペットであるという余裕があったから積極的なやり取りが出来たからであろう。しかし、ネットを出した途端、最後の抵抗か竿を強く絞り込む。アマゴらしいグルグルとねじるローリングで抵抗する。水面に見える魚体は紛れもなくアマゴ、しかもでかい。フックが外れる事が心配だった。最後の詰め、ランディングに全神経を集中させる。ロッドをあおり強く寄せ付けた。そして、左手のネットで素早く取り込む。ずっしりとした感触を確認し深く息をついた。 足元に垂らしたラインが足に絡んでいた。しかし、そんな事はどうでも良かった。とにかく、写真と計測をしなければ。適当な場所を見つけ、アマゴを横たえる。ネットからはみ出すビンと尖がった尾びれ。完璧な魚体だ。メジャーを充てるとジャスト30cm。念願の尺アマゴだ。今まで尺アマゴとはなかなか出会えなかったが、遂に現実のものとなった。嬉しさが徐々に増幅して行く。足がガクガクしてきた。デジカメの撮影も手が震えている。気がつくと辺りは真っ暗になっていた。 |
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