2001.4.20「変身」


太田切川C&R区間、沈み石が点在する、いつものお気に入りの流れ

釣行データ
日時 2001年4月20日() 7:00〜9:30
釣り場 中央アルプス 太田切川C&R区間
天候 晴れ
気温 未計測
水温 8℃(早朝)
タックル FREESTONE 8'3"#3 + MARQUIS #4 + DT3F Yamame + REVIEW 5X-9ft
ハッチ ユスリカ コカゲロウ
釣果 イワナ 4/ アマゴ 1
フライ #12 ヘアズイヤニンフ


午前6時半、早朝の太田切川。空気が冷たく朝独特の澄んだ透明感を感じる。今日は、ちょうど出張に出る前の時間が空いたので、朝の太田切川を釣ってみようと釣行に出た訳だ。平日という事もあって、いつも車を止める堰堤付近には釣り人はいない。朝食を軽く取りながら準備をする。水温は8度くらいで、ちょっと低め。迷わずニンフをティペットに付けた。

ちょうど午前7時、前回釣った時に調子が良かった堰堤上の流れから探りを入れる。前回は、けっこう浅い瀬に出ていて、ニンフとインジケータの間隔をあまりとらない仕掛けにすると、かなりドライに近い感覚で釣れたのだが、今朝の状況では、まだ瀬に出ていない様子。しばらく釣っては見たが、やはり、反応がないので、12番のヘアズイヤニンフからウェイトたっぷりの10番のMSCへと換えて、探る層を深くしてみる。
現在は、ショットは使わない方法でウェイテッドニンフの重さを変えて探る層を変える仕掛けに定着しているが、時にショットも必要なのではないか?などと暗中模索している状態である。

小1時間ほど探っては見たが、一向にアタリはない。ちょっと下流に戻る事にして、場所を移動してみた。川を下るようにしてポイントを移動するのも良いか、できるだけポイントを潰したくなかったので、大回りをして、流れ込む小さな沢を伝い川に出た。
この辺りは、自分にとってももっとも実績のあるポイントなので、ティペットを一新し気分を入れ直し、釣りを始める。
ちょうど日も川に射し込んできて、首筋に暖かさを感じる。そろそろ出るかな。速くて強い流れはパスし、比較的穏やかな流れの筋に絞った。

ある程度水深のある落ち込み、そして流れる筋の脇にインジケータを漂わせるにはちょうど良い流れが出来ていた。なんとなく感じる釣れそうな予感。落ち込みにフライを打ち沈み、インジケータは流れの筋から外してゆっくりと漂わせる。インジケータがフッと水に引き込まれた。完全なアタリ。迷うことなく合わせを入れる。イワナだ!。軽く抵抗をみせるが直ぐにキャッチできたのは、まあまあサイズのイワナだった。とにかく本日の1尾目というのは嬉しいものだ。

左手に太くて強い流れの本筋があるのだが、ここはどうにも攻め切れないでいる。逆サイドから攻めるほうが良さそうだが、この流れは渡渉不可能。この流れは、アウトリガーでヘビーウェイテッドのニンフと重めのショットを付け流し込んで、表層の早い流れの下に居るであろう大物にフライを送り込みたい。しかし、餌釣りの経験がない自分にとっては、この釣り方がイマイチ要領をつかめない。しばらく粘っては見たが、自分の未熟な腕ではちょっと手が出ない感じ。

刻々と時間は経っていた。時計を見ると、あと1時間程度しか釣りが出来そうにない。ここは、強い流れは捨て、本筋以外の流れに絞り込み釣り上がる事にする。仕掛けもショットなしのウェイテッドニンフ、そして70cmくらいのところにインジケータといういつものパターンに戻す。時間は8時半、魚はそろそろ浅瀬に出てきても良い頃だ。表層をニンフが漂うイメージでフライを流す。石影から魚影が見え水面のニンフを引ったくった。一部始終が目視出来た為、ドライフライのような感覚でドキっとさせられる。あまり大きくはないイワナだった。しかし、魚が水面に出てくる光景はやはりいいもの。魚もだいぶやる気が出てきたようで、更なる期待も高まってくる。

午前9時を回ると、コカゲロウのハッチも見受けられた。護岸のブロックの巻き返しではユスリカが乱舞する。状況は悪くない。浅い瀬を流すと、果敢にインジケータにアタックしてくるのはアマゴだった。サイズは良くないがアマゴとイワナをキャッチした。ん〜そろそろドライかな?
でも、いつもここでドライに変えてみて、結構期待を裏切られてしまう事がある。時間も無いことだし、ニンフで通そうと決める。

水深50cmほどの緩い流れ、沈み石の具合も良い。かなり期待出来そうなポイントに出くわす。波立つ水面にインジケータを置く。その下に沈んでゆくニンフを見る。沈み石の影からスーっと影が出てきた。沈んでゆくニンフを咥えギラっと反転した。あれ?、いつものイワナにしてはちょっと違うぞ。もしかして、ヤマトイワナ?
少しドキドキした。キャッチしたイワナにニッコウ系の特徴の白い斑点は見受けられない。またパーマークも薄く、ヤマトイワナの特徴のオレンジの朱点は数は多くないものの確認できる。腹の色も強いオレンジだ。私が良く釣る南アルプスのヤマトイワナとはちょっと感じは違うが、紛れも無いヤマトイワナだった。
太田切川にもヤマトイワナが生息する事は、以前から南信州FCでの調査報告で知ってはいたが、実際にこの川でヤマトイワナを釣ったのは初めてだった。数年前、水産試験場が木曽のヤマトイワナの種で稚魚放流を行っている。この川にヤマトイワナがいても不思議ではないのだが、その放流にあたり、アブラビレはカットしてあると聞く。この固体は、アブラビレはあるので、元々いた個体なのか?、稚魚放流の際、アブラビレをカットし忘れたのか?、そのあたりは、なんとも推測の域を脱しないが、在来のヤマトイワナも残るという可能性も捨てきれない想いが募る。

時計を見るとそろそろ時間かな。これからドライでいけそうな雰囲気ではあるが、川から上がる事にした。車の脇で、ウェーダーやベストを脱ぎ、Yシャツにネクタイ、そしてスーツを着込む。スーパーマンが電話ボックスで変身する光景を思い出した。そして、私はフライフィッシャーからサラリーマンに変身していた...。


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