今日は、5時のチャイムと共に久々にダッシュを駆けた夕方だった。そう、朝からイブニングの釣りに出ようと仕事を調整していた訳だ。しかし、その出鼻を挫くような突然の雨に一瞬躊躇したが、気持ちは既に渓に行っている。少々の雨くらい関係ないとばかりに帰り支度を整え、車に向った。
水曜日の夕方は、意外と道が混んでいる。どの企業もこの日をノー残業デーとしているからであろう。前のノロイ車にイラつきながらも頭の中は、イブニングライズを想像しワクワクしていた。自宅の近くを通り過ぎ、さらに山へと車を進める。
目的地へは、5時50分頃に到着していた。この辺りは、まだ雨が降っていないようであるが、少し小さな雨粒がフロントガラスを叩き始めた。10分程で支度を整えレインウェアを羽織い川に立つ。私は、釣り支度の早さがエキスパートの度合いだと思っている。自分はまだまだ無駄な時間が多い。きっと超エキスパートの人なら、ものの5分で川に立ちロッドを振っている事だろう。
小耳に挟んだ情報では、先週はライズバシバシだったという。しかし、目の前の流れには、なんの変化も感じられない。様子見でCDCダンの17番をキャストする。落ち込みの肩で出た。小さなアマゴだ。最初は、このポイントも河川工事で昨年とは全く違った川になり、川底には細かい砂が沈み、魚がいるのだろうかという不安もあったが、この小さな1尾が、不安を吹き払ってくれた。
そのうち雨がレインウェアをつたう程になってくる。雨の時は、CDCはあまり役に立たない。また、雨が水面を乱す為、ティペットも太めで良いだろう。浮力重視のエルクヘアカディスで流芯をドリフト。ガボっと出たが乗らない。他にも魚が出ては来るのだが、乗らなかった為にフライをパラシュートパターンに変更する。やっと乗ったのは、やはり15、16cmといったアマゴだった。
ふと時計を見ると、もう6時半を回っている。今日は雨なので、暗くなるのも早い。7時がタイムリミットか。
この頃から、散発的ではあるが、ライズを目撃するようになる。特定の水生昆虫がハッチしている感じではないので、あまりハッチマッチは意識しなくても良いだろう。光量も著しく乏しくなり、フライが見えなくなってきたので、イブニング用の白のパラシュートに結び換える。対岸の沈み石の脇で出たのは、まあまあな手応えだった。2番ロッドなので、結構楽しめ、少し下流に移動し取りこんだ。放流物かわからないが22cmのアマゴだった。ストマックしてみようとも思ったが、時間がない、フライを乾かし、更に上流へ。
目の前で飛び出すような派手なライズをしたアマゴがいた。このポイントへ、充分な間合いをとりキャストすると、また飛び出してきた。今度は自分のフライをガッチリだ。ここで、20cmほどのアマゴを2つ釣る。うまく流してやりさえすれば選り好みはしないらしい。
イブニングの30分は、あっという間に経ってしまうものだ。気が付けは辺りはかなり暗くなり、フライを目で追うのも困難になってくる。そう言えばと思い、フライボックスの片隅に眠っていたフライを取り出す。何年か前に作ったフライなのだが、ウィングに蛍光塗料を染み込ませたイブニングスペシャルだった。これにライトの明かりを当てると光るという怪しい代物。このフライを小さなプールのヒラキを目掛けてキャストする。流芯の筋のちょっと脇をボワンと鈍い光を発し流れているフライ。「ここだ!」。
本当に出た。ちょっと早いアワセで乗らないかと思ったが、ぐんと竿がしなった。プールでの引きを味わいキャッチ。これも23cmほどのアマゴだった。イブニングスペシャルフライの勝利。しかし、このフライにも欠点がある。ウィングの吸水性が良過ぎる為にすぐに浮きが悪くなる事だ。
まだ、やり足りない感じは残るが、まあ、この辺が良いところであろう。リールを巻き上げた。1時間という短い時間にしては、7匹のアマゴが釣れたし、結構楽しめたイブニングだった。あとは、もう少しライズをバシバシとやってくれれば私の興奮もピークに達したと思うのだが....。
帰り道、イブニングポイントから家まで10分ほど。改めて自分には、地の利があることを感じずにはいられなかった。
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